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カレー事始め

三十数年前の春、ちょうど二十歳のころ、何を思ったのかインドに旅立った。たぶん自由な生き方(自分勝手な生き方)を見つけるためだとか、いかにも若造らしいたわ言ををほざいていたのだろうが、まあとにかくインドがピンときたみたいだった。なにしろインドは精神の世界だから…(なんのこっちゃ)。

でインドの情報をいろいろ集めるうちに、衛生状態がかなり悪いことがわかってきた。旅行者は必ずひどい下痢をする、と何人ものインド帰りの人から脅された。生水は絶対飲むなとか、雨期にはインド人も下痢ピーらしいとか。トイレがままならない旅先での恐怖が頭をよぎる。そのことが気になってか、出発の前日から40℃近い発熱。チケットをキャンセルするわけにもいかず(当時はまだ飛行機代が高かった)えい、ままよ!とフラフラな状態で精神世界へ出発した。

さて、いよいよデリーの空港に到着して市内へ。もう熱があるなんていってられない。インドに来てしまったんだよ。インド特有の匂いが鼻につく。この匂いだけでもお腹がゴロゴロいいだしそうである。ニューデリーのメインバザールに安宿を取り、近所の食堂へ食事に出かける。マトンカレーとチャパティーを注文、というかこの店のメニューはこれだけ。チャパティーは店先で子供がしゃがんで焼いている。しばらくするとたくさんのハエを従えてカレーが運ばれてくる。カレーはなかなか美味いのだけれど、お腹のことが気になって気が気じゃない。こうして食べてるうちにも急にピーッと襲ってくるのかなあ…と、もうパニック状態であった。

しかしそれから日を重ねてもお腹はゆるくはならず、どちらかというと便秘ぎみであった。それでも下痢の恐怖からは逃れられず、長距離バスに乗るときなどはかなり緊張していた。でもそうこうしているうちに緊張もほぐれ、しだいにインドのバラエティーに富んだカレー料理を楽しめるようになっていった。

インドでは宗教や経済的な理由で菜食をしている人がたくさんいる。駅の大きなレストランなどはVEG(ベジタブル)とNONVEG(ノンベジタブル)にわかれていて、食べるところも違う。ぼくも菜食主義者を気取ってVEGを選んでいたが、ホントのところはダール豆のカレーが目当てだった。これは水でもどしたダール豆を、あまり香辛料を使わないで煮込んだカレーで、ほとんど辛くない。脂っこいものや辛いものに辟易してきたときは、このカレ…